2012年05月05日

神戸栄光教会

神戸の教会のなかでも代表的な教会だと思いますが、阪神大震災で全壊。2004年に外観を極力復元する形で再建されました。

神戸栄光教会
神戸栄光教会
神戸栄光教会

再建までの経緯については ↓ の記事をどうぞ。

『再建された神戸栄光教会」神戸新聞 2004.12.02』

一日でも早く再建したいという気持ちとそこから来る焦りを抑えて、地道に合意を取り付けながら進めるという作業が自然に全体の流れを作り、落ち着くべきところに落ち着いていった。「この10年は必要な時間だった」という言葉が非常に重く、実感のこもった言葉として響き、性急に物事を進めてはいい結果に繋がらない…という哲学が伝わって来た。
以前、この記事を読んだときにメモしていた私の感想です。

それとは別に、もうひとつ頭に浮かんだ事があったことをふと思い出しました。
それが、先日のこのブログ 「中京郵便局」 のなかで触りだけご紹介した「慣習の美学」。この記事を読んだときから、この建物とこの考え方が頭の中で繋がったまま離れない。(その割に忘れていたけど…)

元に戻すつもりはなく、「二十一世紀にふさわしいモダンな教会を」などの案では意見が一致しなかったところから、次第に以前の教会を「懐かしい」と思えるようになり、最終的に「可能なら元の姿に」と変化していった過程は、教会という求心性の強い建築だから尚更深く刻まれた、「慣習の美学」という考え方に他ならないのではないでしょうか?

写真の整理と資料探しの都合で二日程遅れたけど、今日のタイトルにこの「神戸栄光教会」を選んだのも、無意識に『「慣習の美学」つながり』を意識していたのか、もしくは何か見えない力に導かれたのかもしれません。

で、今の「神戸栄光教会」。
実は、先々月再建されてから初めて見た。そのときの全くの私見ですが、兵庫県公館の隣にあって、建物にもそのロケーションにも歴史を感じさせる雰囲気が十二分にあるにもかかわらず、たぶん昔の印象が頭に残ってるからでしょうが、建物が新しくあまりに小綺麗でなんとなく不思議な感じを受けました。それもそのはず、腰巻保存などで古い建物の外壁などを残す場合と違って、建物は完全に新築です。街並みにすっかり馴染むにはもう少し時間が必要なのかもしれません。

いやいや、教会の方が「かつての教会生活の記憶と新しい教会とが結び付き、違和感なくなじめる」と仰ってるんだから部外者は黙っていなさい。

ん?天の声?

追伸。
読み返してみて気がいた。
 ↑ の「たぶん昔の印象があるからでしょうが…」っていうところ。
これって、私の考え方が完全に「慣習の美学」に流されてるんじゃないのかな?

日本基督教団 神戸栄光教会
所在地 : 兵庫県神戸市中央区下山手通4
設計:曾根中条建築事務所 → 日建設計(再建)
竣工:1922年 → 2004年(再建)
施工:竹中工務店(再建)





大阪・吹田・千里ニュータウン/アーキスタジオ 哲 一級建築士事務所
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神戸栄光教会




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Posted by アーキスタジオ 哲 at 06:15│Comments(0)兵庫の建築と雑記帳
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