2012年07月20日

いつもきれいな「白翳の家」

真っ白です。
住宅でちゃんと名前が付いてるという事は、有名建築家の作品です。

いつもきれいな「白翳の家」
いつもきれいな「白翳の家」
いつもきれいな「白翳の家」

始めて見たのは15年以上前だと思いますが、それまで「真っ白」の建物ってあまりいいと思ったことがありませんでした。

が、この建物を見て初めて「白もいいなぁ…」と思った。
それ程きれいでインパクトがありました。

でも、私はというと、真っ白を使う勇気がない。
オフホワイトぐらいならなんとか・・・っていうところかな。
いや、もっとくすんでる方がいいなぁ。
人間がくすんでるのかな?

ひとことに「白」って言ってもたくさんあるからね。
でも、この建物の白、私には勇気がないけど、すごくいい白ですよね。
(写真と実物では少し違うし、モニターの色温度でも全然違うけどね。)

施主に色を選んでもらうと、「白が無難なんでしょうね・・・」という言葉が出てきます。クロスなんかを選んでもらうと必ずといっていいほどです。
でもね、本当は白が一番難しいんですよ。

いつもきれいな「白翳の家」
いつもきれいな「白翳の家」

この建物の近くまではよく買い物に行くので、先日、買い物のついでに久しぶりに行ってみました。最後に見てからは既に7~8年は経ってると思います。

そして、いつも驚くのは歳月を感じないこと。
壁は白いまま、きれいなままを保って建っています。

たまたま、外壁を塗り替えた後にしか見てないっていう事もあり得なくはないけど、例えそうだとしても、オーナーの愛情が伝わってきます。この建物が好きで、愛情を持って接しているからこそ、メンテナンスも行き届く。そんなオーナーに住んでもらって、幸せな建物です。

でも、ちょっと待ってよ。
単純にオーナーが建物を選んでるんではないような気がします。
いい状態で出来上がった建物って、完成するまでの過程で必ず、いろんないい偶然に遭遇し、いい出会いがあります。それを考えると、建物がオーナーを選んでるんじゃないかなっていう気がしなくもない。

建築って生き物です。人間との関係で建築も顔つきが変わってくる。人の住まなくなった家は傷みが早い・・・っていうのはよくいわれるホントの話。人間との関係がなくなると、途端に建築も生気を失います。そう考えると、建築だってどんな人と付き合うかは死活問題。人間が建築を選んでいるのと同じように、建築も人間を選んでいたっておかしくないですよね。


白翳の家
設計:坂本昭/設計工房CASA
竣工:1996年
所在地:箕面市






大阪・吹田・千里ニュータウン/アーキスタジオ 哲 一級建築士事務所
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Posted by アーキスタジオ 哲 at 06:15│Comments(0)大阪の建築と雑記帳
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