2010年12月11日

バリアフリー

去年父が逝った。



今から考えると、

いろんなことが父の体に降りかかり、

事前に決まっている死期に帳尻を合わせるように急激に弱り、逝った。

こっちの気持ちがついていけないぐらいだった。



最後に近いころに介護の申請をしたが、母はずっと拒絶していた。

今でも調査員が来たときの事を話すと涙を流している。

母にすれば、元気だった父が介護を受ける姿を受け入れたくなかったのだろう。

結局認定を受けたが、認定の通知が届いたのは、父葬儀が済み少し落ち着いたころだった。



このころ初めて実家の段差を認識した。

段差と言うのは、階層による大きなものから、敷居の数ミリから数センチ程度の小さな段差まですべての段差のことである。

  

そして建物の段差について、私の気持ちにも少し変化があった。



スキップフロアというのは空間的に変化があって楽しいのだが、

少し抵抗を感じるようになった。



誰でもいずれは老いる。

その事実を見越して面白みを少し我慢してフラットで考えるか、面白味を追求するか。



スキップフロアに提案をして、それを採用するかしないかは、最終的には施主の判断になるのだけれど、

提案する側として、より慎重になるような気持ちの変化が少なからずあったことは確かです。



親孝行も間に合わず、

迷惑や心配を掛け続けたにもかかわらず、

より慎重になりなさい・・・と、

そっと胸の奥の方に届けてくれた、

父からの最後の教えであると思っています。





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Posted by アーキスタジオ 哲 at 09:32│Comments(0)建築独り言
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