2010年09月19日

ショートケーキ住宅

○寄棟の屋根。

   なぜハウスメーカーの住宅には寄棟が多いのでしょうか?

○表情がうそ臭いサイデイング。

   メンテナンスフリーという謳い文句に惹かれるのもわからないではないですが、

   特に最近のメーカー住宅の外観は、みんなサイディング。

   どうも安っぽくて、うそ臭い。

○奥行きが苦しい玄関ポーチと、大きさの足りない玄関庇。

   家に入る時に外開きの玄関扉を引くと、

   一段下りないと開けられないような玄関ポーチ。

   玄関ポーチの寸足らずに合わせて寸足らずな玄関庇。

   そんな信じられない光景が以外に多いのに驚かされます。

○奥行き一間程の使えない庭と奥行き半間程の使えないベランダ。

   住宅内の間取りが優先して、敷地との関係が全く考えられていません。

   間取りというのは文字通り「間」を「取る」こと。

   敷地と建物の関係も重要な「間」だと思います。

○いつも電気が点いてる一階リビング。

○いつもレースのカーテンが閉まったままの一階リビング。

○レースのカーテンは閉まってるけど、夜になると道路から丸見えの一階リビング。

   狭小敷地、密集地など、悪条件下での住宅が増えていることは確かですが、

   採光や通風などプランニングである程度解消できることはたくさんあります。

○無意味に高い天井。

   コスト削減のため、天井下地を一気に同じ高さで作っているのかもしれませんが、

   芯々1メートルの廊下や便所と10数帖もあるリビングが同じ天井高。

   天井ばかり高い便所や廊下は、壁の圧迫感がすごいです。

○真っ白なクロス。

   マンションも同じですが、とにかく壁も天井も真っ白です。

   じゅらく壁、杉板の天井の中で育った私は、

   自分のマンションの壁と天井が最初はまぶしくて仕方ありませんでした。

   自然のものに真っ白なものは少ないです。

   壁や天井は真っ白にしておくのが無難・・・

   という間違った考えは正すべきだと思います。

○竣工後すぐに建てられるカーポート屋根。

   カーポートも建築面積に算入されます。

   建屋内で建築面積を目一杯使いたいため、

   カーポートの屋根は竣工後に建てるのが一般的です。

   でも、それも立派な違反建築ですし、デザインはめちゃめちゃになります。

   建築基準法や行政の問題が大きいのですが、

   そろそろ何らかの策が必要なんじゃないかと思います。   

 

かつて、石山修武氏が批判したショートケーキ住宅。それとは少し捉え方が違うかもしれませんが、私が感じる現在の特徴です。

カーポートや白い壁には見慣れてきた感がありますが、そんな住宅を見かけるとなんだか悲しくなってしまいます。



少しの気配り、一歩踏み込んだ考察で解消できることは少なくないはず。



それでも、大きなバックボーンが生み出す幻想に目を眩まされてメーカー住宅は売れる。

メーカー住宅のすべてが悪いとは言いませんが、

少しだけ興味を持って、いろいろ見るだけで、もっと冷静な判断が出来るようになるのに・・・。



早朝、散歩をしていてそんなことを感じた。



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Posted by アーキスタジオ 哲 at 10:15│Comments(0)建築独り言
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