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2017年01月31日

あんまりよくしなくていいですよ…

以前、変わった依頼がありました。


お話を伺ってプレゼンした最初の提案をすごく喜んでいただいて

設計を進めることになりましたが、その後のヒアリングの中で、

「そんなに良くしなくていいですよ…」とか、

「元のままでいいから…」といった言葉が頻繁に聞かれるようになりました。


予算を気にされているのかと思って聞いてみると、そうではありません。

古い街に住むその方は、周りの目を必要以上に気にされているようでした。





さあ、どうする?

私は、与えられた条件の中で、

少しでもよくすること、

少しでも使い勝手よく使える事、

快適になること…を考え続けて今に至っています。

良くしなくていいといわれるとどうしていいのかわかりません。

また、使い勝手が悪い…というお話を聞いているにもかかわらず、

それと同じでいいと言われても、はいそうですか…という訳にはいきません。


結局は、いつもと同じように考え、いつもと同じようにお仕事をさせていただきましたが、

控えめに、地味に、そして目立ちすぎないように

…ということをずっと意識しました。


結果的に、喜んでいただけたからよかったものの、

いつも以上に気をつかったような気がします。


地域や近隣への気遣いは必要なことですし、

素晴らしいことだと思います。

あまりに近隣を無視した物ができそうなら、

それぐらい強い意思表示があってもいいのかもしれません。


しかしそうでないなら、

使い勝手が悪いけどそのままでいいとか、

あまりよくしないでいい…という気遣いは無用な気がします。


逆に、こんな風にしたら便利がよくなったよ…と軽く自慢するぐらいの方が、

自然な流れのような気がするんですが、

その地域に住んでいない私には分からないことがたくさんあるようです…。






アーキスタジオ 哲 一級建築士事務所
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Posted by アーキスタジオ 哲 at 06:07Comments(0)独り言

2017年01月28日

…と、いろいろ書きましたが、

結局のところ、

クライアントが考える「いい」と私が考える「いい」には、

少なからずのずれがあります。

そのずれを、打合せの積み重ねの中で如何に小さくするかがポイントです。


気を付けないといけないのは、

我々のこだわりは、求められて初めて設計者としてのこだわりになる訳で、

求められない限りは、クライアントにとって邪魔な考えであるケースも多いということ。

そこは、慎重に…。





その代わり、求められた時には、

(許される範囲で)とことんこだわらせて戴きます。








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Posted by アーキスタジオ 哲 at 02:56Comments(0)独り言

2017年01月27日

一周まわって再び「こだわり」

…ということで、

いろいろ考えてはみましたが、

こだわり…というのは、

実に厄介な代物です。


ものの形を決める上で基本となる考え方でもありますし、

よりよくするための原動力でもあります。

しかし、変なこだわりはバランスを崩すことになり、

物事の自然な流れが滞る原因となります。

ここが紙一重なんです。

だから禅問答のようなやり取りを頭の中で繰り返すはめに陥るのです。





でもやっぱり、

私達の仕事には必要なきっかけであり、原動力であることに疑いはありません。

そして、

そのこだわりを持ったまま柔軟に対応できる人間力が身に付くまでは、

常にそのジレンマに苦しむことになります。




苦しい…





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Posted by アーキスタジオ 哲 at 23:59Comments(0)独り言

2017年01月26日

思い入れ

一昨日の話で、「こだわり」というの印象が少し変わってしまいました。


時間が経てば忘れてしまって元の使いかたに戻ってしまうのでしょうけど、

今はまだ記憶に新しいので、今日は「思い入れ」という言葉を使うことにします。


強い思い入れが原動力になって生まれる空間には、

その思い入れの強さが表現されたものも沢山あります。


車が好きな人が建てたガレージハウスなんかがそれにあたります。





仕事を兼ねた空間で、料理研究家の広いキッチンと寝室だけの家、

なんていうのもそんな建築の一つかもしれません。





思い入れの質が随分異なり、崇高になりますが、

このような思い入れ先導型の建築の究極は宗教建築と言えそうです。


建物の用途は別にしてここで注目すべきなのは、

強い思い入れの実現のためには他の機能の後退は我慢できるよ…という考え方です。


根本になる考え方がそれぐらいはっきりしていると、

欲しいものの優先順位もはっきりし、

決めなければならないこともすんなり決められるはずです。


但しこの場合、考えかたの根本となる部分へのこだわりが尋常ではないため、

新たな迷いが生じることは避けられません。

住宅の場合に限って言えば、

ここはほとんど趣味の世界なので私が立ち入れる範囲は限られています。

クライアントご自身が、悩むことを楽しむ領域でもあります。




拘泥するのは、

沢山の満足を求めすぎることに原因があるのかもしれません。

考え方をシンプルにした方が答えは近そうですね。






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Posted by アーキスタジオ 哲 at 10:13Comments(0)独り言

2017年01月24日

こだわり

ここ数日で書いたことを振り返ってみて、

ちょっと気になったので、「こだわり」を辞書で引いてみた。

引用は、たぶん私が中学の途中か高校ぐらいから使っている旺文社の国語辞典。


「こだわる」

①かかわる。拘泥する。

②わずかの事に文句を言う。


なるほど、「拘泥する」…か。





ちなみに前述の国語辞典で 「拘泥する」 を引くと、

「こだわること」。 (-_-;)


仕方がないので、goo国語辞書。

「こだわること。必要以上に気にすること。」


必要以上に…というところがミソなのかな?


この言葉の印象が少しだけ変わった気がします。





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Posted by アーキスタジオ 哲 at 22:18Comments(0)独り言

2017年01月23日

どんなのでもいいよ…。

一方で、こだわりはない…と言われる方もおられます。


どんな家をご希望ですか?

使いかたとか、こんな部屋が欲しいとかはありますか?

など、何を聞いても「あんまりないんですよ」の返事。

こだわりが強すぎるのも困りますが、

こだわりが無さすぎるのも、計画の糸口を見つけるのが大変なこともあります。





でも、こんな方ってよく話してみると、

形とか部屋の構成や仕上には興味がなくて特別な希望はないんですが、

暮らし方に強いこだわり持っていたりします。


ですから、最初の受け答えは、

ある軸になる暮らし方があって、それが守られていれば、

あとは柔軟に対応するからお任せします…という意味なんでしょうね、たぶん。


だから、冒頭の質問には回答が見つけられないんですが、

どんな暮らし方を考えておられますか?という質問には、

これこれこんな…っていう答えが返ってくる。

で、ひとつ答えが出るとどんどん出てきて、

お気に入りの家具があって、その家具が似合う家にしてほしい…とか、

最初の質問の答えになってもいいような答えが、ちゃんと出て来たりします。


で、答えが出始めると、いろんなストーリーが出来始めるので、

即物的なこだわりを示されるよりもずっとやり易かったりもします。

一概には言えませんけどね。


要するに、新しい家に何を求めておられるのか?で、

私の質問の意味が読み取れないケースがあるということ。

私がちゃんと理解し、ご希望を聞き出すテクニックも必要だということですよね。

ここも、まだまだです。






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Posted by アーキスタジオ 哲 at 05:14Comments(0)独り言

2017年01月20日

情報の選択

最近は、あらゆることがネットで検索できる時代です。

一般的な工法、一般的な材料に関しては、

まだまだ我々の方が肌で感じている分だけアドバンテージがあると思いますが、

特殊な建材や新建材、特殊な工法に関しては、

ネット検索での情報収集に長けた一般の方の方が

豊富な知識があることも増えてきました。





一昔前なら、「こんなのどうですか?」と

我々から提案し、

「こんなのあるんですか?」

と返されていた言葉のキャッチボールが、

すっかり逆になっていることも多いのが現実です。


とはいえ、こと建築材料や工法に関しては、すべてにメリットとデメリットがあって、

状況に応じてメリットとデメリットを検証し、都度選択しています。

通例的に使っている物で、検討せずに選ぶものはありますが、

新しいものを盲目的に選択するのはすごく危険なことだと思っています。


私は、迷ったときには、

できるだけ歴史が長い伝統的なものを選択するようにしています。

昨今では、予算的に難しいことも少なくないですが、

なんといっても、日本で培われ、長い時間をかけて改良され、

また、いろんな新しいものとの競合で淘汰されながら生き残ってきた文化ですから、

将来的なことを考えてもこんなに安心なものはありませんよね。







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Posted by アーキスタジオ 哲 at 23:59Comments(0)独り言

2017年01月19日

リセット

何事にもきっかけがあります。

きっかけは、そのきっかけこそが本質であることよりも、

その裏に隠れた本質を表面化させるための、

タイミングであることの方が多いです。





ずっと堪えてきたものが、何かのきっかけで爆発する…っていうのはよくある話ですし、

家づくりに関しても、

ここを直したい、こんなのがいいな、あんな風にできないかな?

そんな気持ちが、何かのきっかけで一気に動き出すのも同じこと。


もちろんここでも、その本質はきっかけとなったことよりも、

「ここを直したい、こんなのあるんだ、あんな風にできないかな?」の方にあります。

でも、これらの気持ちは細切れで統一感がなく、現実的で無いことが多いです。


それを現実に即したものにリセットしてもらうことも我々の仕事だと思っているのですが、

これがなかなか難しい。


いや、柔軟な方はそうでもないんですが、こだわりの強い方のお気持ちは、

そう簡単には動きません。






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Posted by アーキスタジオ 哲 at 15:08Comments(0)独り言

2017年01月18日

必要なもの

昨日の冷静さって、

別の言い方をすれば「無」のことです。

一所懸命考えても結果が出ないときは、

考えすぎ…っていう状態かもしれません。

一旦そこから距離をとることも大切です。


十分に冷静になって判断して戴けたとしても、

心にシートが掛かってしまっていると、

こちらからは見えるようで見えなくて、

結局、元の木阿弥になってしまうこともしばしば。





計画が始まってから工事がかかるまで、

工事が始まってから竣工まで、

そして住み始めてから…と、

時間の流れで人の考えは変わります。

家族構成だって変わるし、

子供の成長に合わせて、生活のリズムが一変するタイミングもある。

その時だけに必要なものと、

ずっと必要なものの見極めが、その答えに一番近いのかもしれませんが、

そこにも個人差があるので、

元来遠慮がちな性格の私(?)が踏み込める世界ではないことも多いです。


人間って地球で一番生息域が広い動物です。

知恵を利用して、その適応力は抜群ですから

あとでなにか考える方法があるかもしれませんよ。


…とお伝えした言葉に妙に共感していただき、

自分を納得させることができた方もおられました。


この言葉がきっかけで、

いろんなものを割り切って、いろんな衣を脱ぎ去って、

とてもシンプルで身軽になったこの方は、

その時に残ったものを元手に、

後の環境の変化で必要になった別のものを手に入れられました。

それは、計画中には絶対に必要にならないと思う…と考えておられたものでした。



なんでも 「目一杯」 はどこかで無理が生じます。

成り行きに任せて…とは言いませんが、

そこのこだわりをもう少し緩めてみるだけで、

いろんなことがすんなり流れて、

見えなかったものが見え、

手に入らなかったものが手に入るのかもしれませんね。






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Posted by アーキスタジオ 哲 at 10:41Comments(0)独り言

2017年01月16日

冷静さ

あの時なんであんなに「これ」にこだわってたのかな?

あの時は「これ」がよかったんですよね、でも今は…。


竣工して数年経って時々お聞きする言葉です。

時には、竣工してすぐにお聞きすることもあります。


言うこと聞いとけばよかったな…とも。





本当に必要なものと、そうでないものの見極めって難しいですよね。

それこそ、無尽蔵にお金があって、

何をどう建てても有り余る土地があってっていう条件なら

なんでも好きなようできるけど、

普通の人の現実は、そうではありません。


あとになって、

「アドバイスを聞いとけばよかったな…」と、お褒めの言葉を戴けたとしても

それは私が正しいかった訳ではなくて、

家づくりが始まって以来突き進んできた中で、

どこかに置き忘れてきた冷静さを、一度立ち止まって、

取り戻してもらってるだけなんです。


 ↑ に書いたような何でもありの状況で、

必要なものと必要でないものの見極めとか

欲しいものの優先順位をつける必要がない状況を除いては、

それらの作業がいつか必要になります。

冷静になってゆっくりと考える時間が必要になるはずです。


言ってみれば、そこまでの近道をご案内しているだけなんですよ。

時々、大きなお世話っていう顔をされるときもありますけどね。






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Posted by アーキスタジオ 哲 at 23:58Comments(0)独り言