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2012年05月29日

妙喜庵

ずっと行きたかったけど、なかなかタイミングが合わず(申し込み制という壁がここでも立ち塞がっていた)、また機会にも恵まれずに行けなかった 妙喜庵 ですが、ようやくご縁があって行って来ました。最終目的は「待庵」ですが、まずは妙喜庵の書院から。



歴史から・・・と思ったけど、私が書くにしても何かを参考にして書くだけの話だから、それは他の方にお任せするとして、いきなり重文の書院へ。

とにかく、この書院前の広縁がこの陽気の力を借りているとはいえ、こんなに気持ち良い空間だとは思ってもいなかった。左手に待庵の横顔を眺めながら庭に対峙して座ると、庭の葉に反射してくる光のまばゆさと心地いい風がはっきりと初夏であることを感じさせてくれました。
障子の向こうが本殿(仏間というのか…)で、正面にはこのお寺のご本尊聖観音様をおまつりし、左側に千利休像が安置してあるそうです。



縁先の柱が1本抜かれていて大スパンの架構になっていることで気持ちよさが増幅されているようです。縁先の柱はあまり気にならないことも多いのですが、ここは、たかが柱一本、されど柱一本、あるのとないのでは大違いだと感じました。庭が比較的近いからかもしれません。
この写真の左手奥に見える戸襖には江戸時代初期の絵師 狩野山雪の、表には松と鶴、裏には雪中古木と山鳥の絵が描かれているらしいですが、表面は既に鮮明には見えませんでした。


少し前進して視線を右に振ると「待庵」の横顔が…

待庵は右側。下地窓が見え隠れする、樹木の向こう側のじゅらく壁の部分です。
もったいぶる訳ではありませんが、
待庵の前にもうひとつの書院「明月堂」へいきます。



付書院

待庵の東側にあるもう一つの書院「明月堂」。月が昇るのをよく眺めることのできる茶室で、重文に指定されてる書院よりもある意味書院らしい書院です。こっちの縁側も、実に気持ちがいい。気候のせいなのか、建築の出来がいいのかはわかりません。おそらく両方。
室内は蟻壁がいいアクセントになっています。
この日はお茶会用のセッティングでした。



花は鉄仙、細い竹の花入と花がすごく良かったです。

明月堂の前庭には、秀吉の衣の袖が触れたという「袖摺りの松」がありますが、ホームページによると当時の松は枯死していしまい、現在のものは三代目。枯死した松は「老松の茶杓」に形を変えて息づいているそうです。


手前が袖摺の松、奥のじゅらく壁が明月堂の縁側から見た「待庵」。



縁側の奥がおそらくお手洗い(今はどうなっているのか不明です)。点前に手水鉢があります。四角い手水鉢がちょっと粋に感じました。

今日はここまで。
「待庵」は明日にします。(引っ張る引っ張る!)


妙喜庵
所在地:京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字竜光56


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大阪・吹田・千里ニュータウン/アーキスタジオ 哲 一級建築士事務所
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Posted by アーキスタジオ 哲 at 06:13Comments(0)京都の建築と雑記帳