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2012年05月14日

奥村記念館

ゼネコンの奥村組が2007年に、創業100周年を迎えたことを記念して開館した建物。



奥村組の100年を紹介する展示スペースであり、無料の休憩所であり、昨今ではよく耳にするようになった免震装置を採用し、その仕組みを紹介するとともに普段目にすることのない免震装置までを見学できるようにした建物。
屋上には展望フロアもあり、大仏殿や南大門の屋根、若草山が望めます。

前面道路に面して全巾に架けられた「つたい」風の屋根が全体の外観を落ち着けてくれています。免震建物である本体とは切り離す必要があったんでしょうね。軒裏の処理の仕方とか、ガラスの使い方なんかもうまいいので全体にすっきりとしていい感じです。
色・形・規模、全体の印象はなかなか好印象でした。



玄関脇にはせんとくんも・・・。





「木・コンクリート・瓦・石・ガラス」という天然の素材にこだわりました。
また、シンプルな空間構成の中に、素材そのものの質感を感じさせるとともに、和のイメージを損なわぬよう、工業的な設備機器(照明、空調)は可能な限り、表面に出ないデザインとしました(ホームページより)
ということです。



とはいうものの、上部に見える丸太梁には違和感を感じました。
構造材ではないでしょうし、照明をぶら下げるだけのものにしてはちょっとどうなのかな?

地震・免震体験装置もあって、地震波から再現した阪神大震災、新潟中越地震、東日本大震災の揺れが体験できます。阪神や中越の揺れに比べて東日本のそれは、「かなり小刻みで時折非常に強く」と言う印象の揺れで、当たり前の話ですが、大阪で感じた長周期の眩暈のような揺れとは全く違いました。揺れの大きさを視覚的に見せるために、密閉した容器に水を入れたものが据え付けられていますが、一見小さく見えた東日本の揺れで、一番水が暴れていました。体験では数十秒でしたが実際は数分間。また、実際の建物ではその高さに応じて地震波は増幅されるし、装置では単純な横揺れの再現であるのに対して、実際の揺れはそうとは限らないため、かなり印象は異なるのかもしれません。しかし、かなりの恐怖を伴ったであろうことは容易に想像できます。
動画があるんですが、体験した本人の希望により掲載は見送ります。
是非現地で体験してみてください。



これが免震装置。
外部から直接半地下に下がり見学できます。

奥村記念館
奈良市春日野町4番地
設計:(株)奥村組 西日本支社一級建築士事務所
施工:(株)奥村組 西日本支社
構造・規模:RC造、地下1階地上2階建





大阪・吹田・千里ニュータウン/アーキスタジオ 哲 一級建築士事務所
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Posted by アーキスタジオ 哲 at 05:53Comments(0)奈良の建築と雑記帳