枝葉末節~アーキスタジオ哲 一級建築士事務所のブログ~ › 沖縄の建築と雑記帳
2010年08月27日
沖縄コンベンションセンター


雑誌で見て思い描いていたのは、大建築にありがちな大味な建築。
でも実際の建物は、緑青銅板葺きの自由な曲線で構成された屋根が変化に富み、
加えて随所に見られる小技が結構効いてるなぁ・・・という感じの、非常に好印象な建物だった。
大きな建物であることは事実だから迫力も十分。
やはり建築は実際に見ないとわからない。
ただ、軒先の装飾金物は大屋根に負けてしまって、なにがついてるんだろう・・・と目を凝らしてしまったけど。


2010年08月25日
万国津梁館
抜群のロケーション。
赤瓦の沖縄っぽさ。
南国的な配置計画。
加えて、沖縄サミットが開かれたという事実。



期待感はすごかった。
良くも悪くも東南アジアの建築のようだった。
また、二つの大きなホールのロビーが海に面して全面FIXガラスになっていて、圧迫感とむっとするような暑さを感じた。ここも沖縄っぽく開放的で涼しければ抜群だったと思います。(暑かったのは、見学フリーの日でしたので、空調が入ってなかったのかもしれません・・・)
短絡的な発想ですが、深いバルコニーに深いひさしが被っていて、開放できるサッシになっているだけでもずいぶんと違ったんじゃないかな・・・と。
あと、万国津梁館のとなりのザ・ブセナテラス。
純粋に泊まってみたい。
計者:国建
所在地:沖縄県名護市字喜瀬1792
竣工:2000年
赤瓦の沖縄っぽさ。
南国的な配置計画。
加えて、沖縄サミットが開かれたという事実。



期待感はすごかった。
良くも悪くも東南アジアの建築のようだった。
また、二つの大きなホールのロビーが海に面して全面FIXガラスになっていて、圧迫感とむっとするような暑さを感じた。ここも沖縄っぽく開放的で涼しければ抜群だったと思います。(暑かったのは、見学フリーの日でしたので、空調が入ってなかったのかもしれません・・・)
短絡的な発想ですが、深いバルコニーに深いひさしが被っていて、開放できるサッシになっているだけでもずいぶんと違ったんじゃないかな・・・と。
あと、万国津梁館のとなりのザ・ブセナテラス。
純粋に泊まってみたい。
計者:国建
所在地:沖縄県名護市字喜瀬1792
竣工:2000年
2010年08月25日
聖クララ修道院
駐車場に車を停めて車から降りると、一人のシスターが怪訝そうな顔つきで出てきた。
不躾にしかも唐突に来た事を悔い、一瞬躊躇したが「少し見学させていただきたいんですが?」と言うと、二つ返事で聖堂に案内してくださった。
外の強烈な陽射しから解放され渡り廊下を通って聖堂の中に入ると、涼しい風が流れていた。
直射日光の入る中庭側は側廊になっていて、聖堂内への直射を遠ざけ、陽射しの入らない方の窓は、すべり出し窓とモンドリアン風のステンドグラスを組み合わせた全面サッシとなっていて、すべり出し窓は全開放。ひんやりとするわけではないが暑くない。そんな心地いい風が流れていく。
各地の民家を訪れると流れている風に似ている。

空間がやさしい。
そんな気持ちに浸っていると後ろから別のシスターが声をかけてくれた。
「暑いのにご苦労様です。冷たいものでも飲んで言ってください。」
恐縮しながらいただく、子供たちはアイスを・・・(重ね重ね恐縮)
ついでに貴重な話を聞かせていただいた。
教会は50~55年程前に出来た。(資料によると1958竣工、竣工当初の記念写真が飾られていた)
カトリック教会なので、本部からの援助もあって建てることが出来たが、
当時は材料がないから鉄筋をそのまま階段手すりにしたりと、大変苦労した。
昔の玄関は今とは逆側で、下から仰ぎ見るような位置が正面だった。
などなどなど・・・
そして、明日からお盆でその準備でいまちょっとばたばたしている。
カトリック教会だが、地元の人の供養をすることにはなんの矛盾もないから・・・と。
(祭壇の前には焼香台が据えられ、小さなお盆ちょうちんが飾られていた。)
ひと時の憩いの時間を頂戴し、お礼を申し上げて退散。外廻りを一周する。
竣工当初、記念写真をした当時のメインアプローチとなっていた階段がそのまま残っていた。
おそらく東西方向にあたる壁面が、
沖縄らしい穴あきブロックと実際の壁面の今で言うダブルスキンになっている。
ちゃんと日照や風の通りまで計算されてることに関心した。
・・・が思い返した。
少し古い建物だからこそ、自然との共生を考えることが当たり前だったのだ。
今の建物は空調など設備に依存し過ぎている。
エコが叫ばれ始めて、改めて昔と同じ方向を向き始めたのは確かだけど、環境や人間の意識の変化も含めて、設備に頼ってきたここ数十年の後退(あるいは停滞)を払拭するのにどれぐらいの時間がかかるのだろうか?

空間のやさしさ、
シスターの貴重なお話と包み込むようなやさしさ、
奉仕の精神・・・
いい建物に出会えただけでなく、
すごく温かいこころに出会えた見学でした。
感謝
設計者:SOM+片岡献
所在地:沖縄県島尻郡与那原町与那原3093-4
竣工:1958年
不躾にしかも唐突に来た事を悔い、一瞬躊躇したが「少し見学させていただきたいんですが?」と言うと、二つ返事で聖堂に案内してくださった。
外の強烈な陽射しから解放され渡り廊下を通って聖堂の中に入ると、涼しい風が流れていた。
直射日光の入る中庭側は側廊になっていて、聖堂内への直射を遠ざけ、陽射しの入らない方の窓は、すべり出し窓とモンドリアン風のステンドグラスを組み合わせた全面サッシとなっていて、すべり出し窓は全開放。ひんやりとするわけではないが暑くない。そんな心地いい風が流れていく。
各地の民家を訪れると流れている風に似ている。

空間がやさしい。
そんな気持ちに浸っていると後ろから別のシスターが声をかけてくれた。
「暑いのにご苦労様です。冷たいものでも飲んで言ってください。」
恐縮しながらいただく、子供たちはアイスを・・・(重ね重ね恐縮)
ついでに貴重な話を聞かせていただいた。
教会は50~55年程前に出来た。(資料によると1958竣工、竣工当初の記念写真が飾られていた)
カトリック教会なので、本部からの援助もあって建てることが出来たが、
当時は材料がないから鉄筋をそのまま階段手すりにしたりと、大変苦労した。
昔の玄関は今とは逆側で、下から仰ぎ見るような位置が正面だった。
などなどなど・・・
そして、明日からお盆でその準備でいまちょっとばたばたしている。
カトリック教会だが、地元の人の供養をすることにはなんの矛盾もないから・・・と。
(祭壇の前には焼香台が据えられ、小さなお盆ちょうちんが飾られていた。)
ひと時の憩いの時間を頂戴し、お礼を申し上げて退散。外廻りを一周する。
竣工当初、記念写真をした当時のメインアプローチとなっていた階段がそのまま残っていた。
おそらく東西方向にあたる壁面が、
沖縄らしい穴あきブロックと実際の壁面の今で言うダブルスキンになっている。
ちゃんと日照や風の通りまで計算されてることに関心した。
・・・が思い返した。
少し古い建物だからこそ、自然との共生を考えることが当たり前だったのだ。
今の建物は空調など設備に依存し過ぎている。
エコが叫ばれ始めて、改めて昔と同じ方向を向き始めたのは確かだけど、環境や人間の意識の変化も含めて、設備に頼ってきたここ数十年の後退(あるいは停滞)を払拭するのにどれぐらいの時間がかかるのだろうか?

空間のやさしさ、
シスターの貴重なお話と包み込むようなやさしさ、
奉仕の精神・・・
いい建物に出会えただけでなく、
すごく温かいこころに出会えた見学でした。
感謝
設計者:SOM+片岡献
所在地:沖縄県島尻郡与那原町与那原3093-4
竣工:1958年