2012年06月13日

かやのさんぺい橋

箕面のショッピングモール ” Visora ” を東西に結ぶ跨道橋。
これを最初に見たとき、
要塞のようなえらくゴツイ橋を架けたもんだなぁ…と思いました。

かやのさんぺい橋
かやのさんぺい橋

今もそう思っていますし、なんとなくVisoraの他の建物や部分との違和感も感じます。
また、新御堂を北上し、箕面の山が迫ってきたと思ったら、いきなりこの橋で山が遮られてしまいます。なぜ、こんなに閉鎖的な橋にしたのでしょうか?

屋根があって雨に濡れないのはいいのですが、屋根があるのはこの橋だけ。連続してるペデストリアンデッキやその続きの”かやのさくら橋”には屋根はありません。雨の日はこの橋の上だけは濡れませんが、移動すると必ず濡れてしまいます。これって屋根が必要だったのでしょうか?(実際はこの橋の屋根には息抜きが取ってあるので、少々吹き込んできます。)

かやのさんぺい橋
かやのさんぺい橋
かやのさんぺい橋

更に、橋の上に上がると圧倒されることになります。

かやのさんぺい橋
かやのさんぺい橋
かやのさんぺい橋
かやのさんぺい橋

木の内装はいいとして、なんだこの鉄骨の骨太感は?鉄骨の野太い質感のせいで、木の柔らかさが吹っ飛んでしまっていますし、人間が間近を通る場所だというのに、人間を寄せ付けないかのような圧迫感に圧倒されそう…です。

かやのさんぺい橋

更に、なんだこのナットは?
決して鋭利な訳ではないですが、なぜか玉石を埋め込んだ健康歩道を連想してしまったので、なんか痛そうです。

健康歩道でなくても、例えば、子供が走ってきてこの柱の直前で転び運悪くここで頭を打ったとすると、たんこぶで済む話が流血騒ぎになりかねません。
考えすぎでしょうか?

あまりにも、橋という巨大な構造物のスケール感ですべてが決められていて、使う側の人間のスケール感が無視されているように思います。構造体の頑固さは必要な耐力を得るために仕方がないのですが、人間が手を触れるところ、人間が間近を通るところについては構造体とは切り離し、人間を中心に組み立てるべきではなかったのでしょうか。車が通る橋ではなく、生身の人間が通る橋なんだから。

かやのさんぺい橋

屋根がかかった閉鎖的な橋だけに、この息抜き窓は効いています。窓が効いているのもあるし、窓周りだけは人間のスケール感で考えられていることが好感に繋がってるようにも思います。

箕面の山が見えるのもいいですね。
そう考えると、やっぱり屋根なくても良かったんじゃ・・・。

かやのさんぺい橋

ちょっと古いですが、
西武警察の装甲車と放水車が似合いそうな橋だと思っています。

構造的にはフィーレンディール橋といって日本では比較的少ない構法のようです。
分野がちょっと違うので推測ですが、
フィーレンディールトラスという構造体は野太くなるのが一般的みたいなので、どうも、工法が先走ってしまってデザインが圧迫されてる匂いがしないでもありません。

かやのさんぺい橋
所在地:箕面市坊島4丁目~白島1丁目、国道423号線横断部





大阪・吹田・千里ニュータウン/アーキスタジオ 哲 一級建築士事務所
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Posted by アーキスタジオ 哲 at 06:15│Comments(0)大阪の建築と雑記帳
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